鉢花| 原村
これまでのキャリアも活かした就農を実現
八ヶ岳の裾野のなだらかな傾斜地に広がる原村。
ここは昼夜の気温差が大きく晴天率が高いことから、セロリなどの高原野菜や、日持ちの良い花き類の栽培が盛んなところです。
弥生さんはそこで「クリスマスローズ」を、およそ20種類、総数2,000鉢ほど生産・管理しています。
就農前は神奈川県で看護師の仕事をしていた弥生さん。
セロリ農家の弘道さんと結婚し、原村に来ました。
現在、弘道さんはセロリを、弥生さんはクリスマスローズと、生産品目を分担しています。
花き類の中からクリスマスローズを選んだ理由は、「近隣でこの花を生産している農家がなく、セロリの収入がない冬の時期に出荷できるから」。
栽培方法などアドバイスをしてくれる人がいなかったので、「すべて独学で知識を得ました。ある程度収益を得られるようになるまでに4~5年はかかりましたね」。
今でも苗のおよそ3割が途中で生育不良になります。
「その原因を探るため、今でも試行錯誤を繰り返しながら日々研究を続けています」。
クリスマスローズは種まきしてから開花するまで、およそ3年かかります。
「コストを考えるともう少し高く売ってもいいのかな、とも思うのですが、できるだけ多くの人に購入してもらいたいので、あまり高く販売していません」と話す弥生さん。
わざわざ遠いところから弥生さんのクリスマスローズを目当てに買いに来てくれるリピーターのお客さんが、とても多いそうです。
PROFILE
中村弥生(なかむら やよい)さん
長野県(富士見町)出身。医療短大卒業後、神奈川県で4年間看護師として勤務。原村でセロリ農家を営む弘道さんとの結婚を機にUターン移住。看護の仕事をしながら、クリスマスローズの栽培に取り組んでいる。深山花園(みやまかえん)代表。一児の母。