先輩就農者インタビュー

職としての農業の魅力と留意点とは
栗山淳さん

豊丘村

職としての農業の魅力と留意点とは

栗山淳さんが某セミナーで事例発表をした時のこと、参加者が「今まで大変だったことは何ですか」と質問した。栗山さんは「ありません。毎日畑に行くのが楽しい!」と答えた。そう、栗山さんは農業を、やりがいがあり探求心を満してくれる職業として選んだ。「チャレンジを楽しむ栗山さんは、大変なことも大変と感じないのかな」と記者は思った。以下、令和5年7月に開催されたセミナーの内容を紹介する。

栗山さんは、外資系製薬会社にて20年以上勤務。人々の健康や医療に少しでも貢献したいと仕事をしてきたが、新しい挑戦がしたくなり独立を決意した。自分が仕事に何を求めるかを見つめ直した結果、選択したのが農業だった。

栗山さんが挙げる農業の魅力とは①創意工夫ができる(探求心を満たせる)、②自分で決められる(全ての責任を自分で果たせる)、③仕事を続けられる(定年がない)、の3つ。しかし、誰もが簡単に農業ができるわけではない。栗山さん自身は、東京都から下伊那郡豊丘村に移住し、2年間のJA研修を経て令和5年4月に独立した。

就農時に課題になるのは、やはり栽培技術の習得と農地の確保だ。そこで就農希望者に栗山さんからアドバイス。事前の情報収集で、就農候補地で実際に新規就農した人の栽培技術習得の方法、農地取得の方法の実例を可能な限り具体的に確認すること。また、WEBサイト「デジタル農活信州」(このサイト!)の「自己就農適正診断」には就農「あるある」や新規就農を考える際に必要なポイントが満載なので「ぜひ見てください!」とのこと。さらに大事なことは、自分のやりたい営農スタイルで本当に稼げるのか?(生活できるのか?)を考えること。つまり農業をビジネスモデル*で考えること。そう語る栗山さんの顔は正に経営者。

就農してまだ半年の栗山さんだが、経営者としての確固たる信念を感じたのは私だけではないだろう。

 

*ビジネスモデルで考えるとは、誰に、何を、どうやって、付加価値を提供し収益を得るのかの仕組みを考えること。

PROFILE

栗山淳(くりやまあつし)さん

岐阜県出身。東京都から下伊那郡豊丘村に移住し、地域おこし協力隊制度を活用した2年間のJA研修(南信州担い手就農研修制度)を経て令和5年4月より果樹の複合経営者として独立。令和5年7月 株式会社fruits lab TOYOOKA 設立。代表取締役

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